テントを立て、火をおこす|がむしゃらキャンプ2026 1日目
まき割り、班ごとに決めたオリジナル料理、そして自分たちで立てたテント。今年で5回目になったがむしゃらキャンプ、その1日目を群馬県赤城山から追いました。

「がむしゃら」という言葉には、どこか不器用な響きがあります。
でも、何かにのめり込むのは悪いことじゃない。不器用でもいいじゃないか。そこから名前がついたのが、このがむしゃらキャンプです。2泊3日、今年で5回目になりました。
朝の7時40分、阿佐ヶ谷駅の南口。大きな荷物を抱えた参加者が、ひとり、またひとりと集まってきました。銀マットを小脇に抱えた人、体の幅ほどもあるリュックを背負った人。
向かうのは、群馬県の赤城山。1日目は、ここから始まります。
阿佐ヶ谷に集合

駅前の広場。荷物を下ろして、出発を待つ
集まったのは、小学4年生から中学2年生まで40人。スタッフは14人です。
配られていたのは、色のついたキャップでした。緑、青、赤、黄。色は班ごとに違います。受け取った人から、さっそくかぶっていきます。
広場に荷物が並んで、だんだん「出かける前」の空気ができあがっていきました。
バスに乗り込む

7時49分。これに乗って、赤城山まで
迎えに来たのは貸切バスです。54人が乗り込みます。

7時48分。通路で点呼をとる
座席が埋まると、スタッフがクリップボードを持って通路を歩いていきました。ここで全員そろっているかを確かめます。

8時5分。車内の前方から、スタッフの話が始まる
8時5分、前に立ったのは今年の総長めるです。バスでの過ごし方の説明と、運転手さんへの挨拶。手を挙げている人がいます。

9時16分。高速道路に入ったあたり
そして、お菓子の時間です。
百万円札の形をした袋を、こちらに向かって掲げてくれました。各々が持ってきた好きなお菓子を食べました。
移動の時間の、至福なひと時です。
途中で、買い出し

10時14分。カートに緑のカゴを積んで、店内へ
途中でバスを降りて、スーパーに寄りました。
買うのは、今夜の夕食の材料です。ただし、条件がひとつあります。一班3000円まで。
だから、店に着いてから考えるのでは間に合いません。何をいくらで買うかは、事前に組み立ててきています。作りたい料理があって、予算があって、その両方が成り立つ買い物リストを自分たちで用意してきた、ということです。
かきぴー班のカートに積まれた緑のカゴは、まだ空っぽ。ここからが本番です。
赤城の大沼に着く
着いたのは群馬県前橋市、赤城山の大沼のほとりです。泊まるのは前橋市赤城少年自然の家。阿佐ヶ谷を出てから、およそ4時間半が経っていました。

12時27分。荷物を分担して、階段を下ろしていく
着いてすぐ、荷物運びです。
資材を積んだ車が入れるのは、階段を上がったところまで。その先は、人の手で下ろすしかありません。寝袋、折りたたみのテーブル、テントの入った袋。自分のリュックだけでも大きいのに、それに加えて共同の資材があります。
やっと到着したあとに、いきなりこれです。
みんなよく頑張っていました。

12時38分。荷物を置いて、まずは説明から
運び終えたら、炊事場の前に座って説明を聞きます。後ろにはさっき運んだ荷物が積んでありました。
テントを立てる

13時39分。手前にあるのは、まだたたまれたままのテント
湖畔の林に座り込んで、今度はテントの説明です。気がつくと、全員がもう軍手をつけています。手前に置かれているのは、たたまれたままのテント。これから、今夜の寝る場所を自分たちで立てる時間です。
テントを立てるのが初めてという人は、全体の3分の1ほど。多くはモーネで一度は経験しているという顔ぶれでした。

14時1分。シートを広げて、ポールを通していく
説明が終わると、班ごとに分かれて設営が始まります。シートを広げ、ポールを通し、少しずつ形にしていきます。
ところが、立てるテントの数が思っていたより多い。1つの班でいくつも立てることになったところもありました。

14時23分。立ち上がったテントの、最後の調整
数をこなしていくうちに、地面に打ちこむ杭が最後まで刺さりきらない箇所も出てきます。
張り終えたら、キャンプ場散策

14時43分。桟橋の先に、手こぎのボートが並んでいた
テントを張り終えたら、キャンプ場の散策です。歩いていくと、桟橋に出ました。
手こぎのボートがずらりと並んでいて、対岸には山が迫っています。その手前に見えるのが、朱塗りの建物。
腰かけている人、立ったまま振り返る人。ひと仕事終えたあとの、いい時間です。
急きょ、まき割り

15時35分。全員が輪になって、手元をのぞき込む
建物の前の広場で、車座になりました。中心にしゃがんだスタッフの手元には、緑のテープと切り株。足元にはまきが置かれています。
実はこれ、予定にはなかった時間でした。
用意されていた木は、まき割りをするほどの太さではない。最初はそう思っていたのです。ところが、やっぱり割ったほうがいい、という結論になった。それで急きょ、この輪ができました。

15時46分。台に立てて、細く割ってみせる
木を台に立てて、細く割る。割れたものが地面に並んでいきます。
このあと火をおこすための、焚きつけを作っているところです。
火をおこして、夕食にかかる

16時37分。細い薪を組んで、火を入れる
さっき割った木が、さっそく使われます。細いものを組んで、火を入れて、育てていく。
ところが、これがなかなかつかないのです。薪が湿っていました。
火がつかなければ、鍋は乗りません。鍋が乗らなければ、料理は始まらない。夕食の時間は決まっているのに、いちばん最初の一歩で止まってしまう。

16時53分。ようやく鍋が乗った
それでも、粘って火を育てました。鍋が乗れば、あとは薪を足しながら火の強さを見ていきます。

17時11分。食パンに、みかんとホイップクリーム
一方こちらでは、食パンにみかんを並べて、そのまわりにホイップクリームを絞っていました。フルーツサンドです。
火の番をしている人がいて、その隣でデザートを作っている人がいる。みんながそれぞれの役割をこなしていました。
自分たちで決めた、自分たちの夕食
1日目の夕食は、班ごとに自分たちのオリジナル料理を作る、と決まっていました。
献立を決めたのは、事前の集会。材料を買ったのは、今朝寄ったスーパー。そして作るのは、この山の上です。ひとつの料理に、3段階ぶんの自分たちの手がかかっています。

18時18分。この班はカレーライス
こちらの班はカレーライスでした。奥に見えているのが、さっき自分たちで立てたテントです。

18時38分。こちらの班は手羽先とみそ汁
そしてこちらは、ごはん、千切りキャベツ、手羽先。わかめと豆腐のみそ汁に、デザートのフルーツ。
同じ時間に、同じ場所で、班によってまったく違うものが並んでいます。
湿った薪と格闘して、火がつくのを待って、そこからようやく調理です。お腹は、しっかり空いていました。
だから、この日いちばんいい表情が出たのは、この時間でした。
資材を下ろして、テントを張って、まきを割って、湿った薪に火をつけて。そこまでやってたどり着いたごはんです。しかも、自分たちで決めて、自分たちで買って、自分たちで作った。それだけでごちそうでした。
しおりに、今日を書く

20時39分。窓の外は、もう真っ暗
夜は室内へ。白いテーブルに向かって、しおりを開いています。奥のテーブルにも大勢。ペンケースを出して、静かな時間になりました。
書いているのは、今日1日のふりかえりです。自分が何をやったか。何が楽しかったか。それぞれのしおりに、それぞれの言葉で。
同じ場所で同じ一日を過ごしても、書きとめることは人によって違います。
1日目にやったこと
こうして並べてみると、今日やったことは、ほとんど全部が自分たちの手でした。
材料を買った。資材を下ろした。テントを立てた。まきを割った。湿った薪に粘って火をつけて、自分たちで決めた献立を、自分たちで作った。そして最後に、今日あったことを自分で書いた。
朝、阿佐ヶ谷の広場で銀マットを抱えていたところから、ここまででおよそ14時間です。

21時28分。板張りの床に、大の字で
21時28分。板張りの床に、大の字で寝転がるふたり。裸足のまま。
あれだけやったあとです。こうもなります。

21時59分。自分たちで立てたテントの中で
そして、寝る場所へ。昼間に自分たちで立てたテントです。
寝袋に入って、ライトをつけて、この顔。まだ元気が残っていました。
就寝は22時。2泊3日のうちの、まだ1日目が終わったところです。